shigiphoto days

FUJIFILM GFXシリーズで撮った写真をつらつらとご紹介。

XF16-55mmF2.8を1年使ってみて

XF16-55mmF2.8を昨年の8月に購入して、1年と少しが経ちました。そこで今回はその感想をつらつらと記してみようと思います。


まずは良かったところ。

これは「画質」の1点に尽きますね。レッドバッジのXFズームレンズなのでとても良く写ります。特に解像力とコントラストは素晴らしい。FUJIFILMの単焦点レンズに迫る性能です。「ハッ」とする写真を撮ることが出来ます。

ズームした時の繰り出し量が少ないのも好印象。あんまりみょーんと伸びるのはカッコ悪いと思っているので…

あと、X-H1と組み合わせると見た目がカッコいいです。それ以外のボディだとレンズが大きすぎてアンバランスですが、X-H1だとゴツいんですが綺麗な印象ですね。


次に悪かったところ。

これも「画質」の1点に尽きます。どんなに凄いズームレンズでも単焦点レンズには敵いません。「単焦点レンズに迫る/同等」という表現をよく見かけますし、私も使ってきましたが、これは「単焦点レンズは超えていない/超えられない」ということの裏返しですよね。

もちろん単焦点レンズが絶対というわけではありません。撮影者の用途やシチュエーション、バランスの問題です。そういう意味で総合的に見るとXF16-55mmは凄いレンズだと思います。

しかし、使い込む毎にどうしても気になる点が目についてくるようになりました。それはボケです。F2.8なのでボケ量はそこそこあるのですが、問題は質です。玉ボケが汚いんですよね。。。非球面レンズを多用している弊害で、いわゆる「玉ねぎボケ」が発生します。個人的にこれが嫌いなのでどうしても気になってしまって…レモンボケやぐるぐるボケは好きなんですけどね。

猫ちゃんの左奥、壁と雑草付近が気になります。背筋がゾワゾワする感じ。

こちらも同じ傾向。画面左半分の砂のボケが気持ち悪いです。。。

こちらも見事な玉ねぎボケ。カメラのモニターでは水滴が綺麗にボケた!思い通りだ!と満足していたのですが、家のiPadで確認すると玉ねぎボケがあってガッカリ…

こちらのショットは後日XF80mmF2.8Macroで撮り直したものです。あまりに悔しかったのでリベンジしました。このレンズも非球面レンズが1枚使われているのでよくよく見ると玉ねぎボケは発生していますが、このぐらいなら許容範囲内です。

そういえば、SONYのGMasterレンズは独自の工夫で非球面練レンズ由来の玉ねぎボケを軽減しているらしいです。凄い技術ですねぇ…もちろんお値段も凄いので買うことは出来ませんが。私はオールドレンズからレンズ交換式カメラの世界に入ったので、球面収差はありだと思っています。X100Fの絞り開放の滲みは美しい。オールドレンズには非球面レンズはほぼ使われていないので(当時は人力非球面加工なので超高価)、玉ねぎボケに馴染みがないんですよねぇ。なので嫌なのかもしれません。


結論。

1年強使ってきたXF16-55mmは先日手放しました。良いレンズではあるものの私には合わなかった様です。今まで標準ズームと望遠ズームの2本を買いましたが、どちらも画質がネックとなって手放す結果となりました。今後、技術革新が起こってズームレンズの有り様が大きく変わるまでは、ズームレンズを買うことは無いと思います。(とは言いつつ、望遠レンズは用途と選択肢的にズームレンズを買うかも…)

最後に、XF16-55mmで撮ってきた写真をご紹介。私みたいにめんどくさいこだわりが無い、普通に写真を楽しんでいる方には十分おすすめできるレンズです。