shigiphoto days

FUJIFILM GFXシリーズで撮った写真をつらつらとご紹介。

GFX100S Ⅱをちょっとだけ触ってきた感想

はじめに

みなさんは先日のX Summit SYDNEY 2024、ご覧になりましたか?GFXユーザーの私としては新型のGFX100S Ⅱが発表されるということで大注目でした。なんせ今使っている機種の後継機ですからね。フラグシップ機のGFX100 Ⅱをスキップした身としても気になります。今回は大阪の富士フイルムフォトサロンでGFX100S Ⅱをお触りしてきたので、その感想を書きたいと思います。本当はもっと早く公開したかったのですが体調不良になって数日寝込んでしまい、その影響でちょっと新鮮味の無い時期になってしまいました。

で、富士フイルムフォトサロンの話です。しっかりありましたよ、100S Ⅱ。しかも100 Ⅱと並べて展示してあり「是非触り比べてちょうだいな!」といった具合でした。真剣に気になっている身としてはありがたい限りです。(他にもX Summitで発表された新モデル、GF500mmやX-T50、XF16-50mmが全部展示されていましたよ)

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FUJIFILM GFX100S, GF55mmF1.7 R WR, ƒ/8 1/120 55 mm ISO 3200

(GF500mmは見た目の7割ぐらいの重量でビックリしました)

 

レビュー

ここからはGFX100S Ⅱを触った「それあなたの感想ですよね」を述べていこうと思います。お触りしたのは30分強なので深い事は言えませんが、その短時間でも気づいた事例なんだな、とお考え下さい。

前提として私はこんなだ、という部分を挙げておきますね。写真機材って用途や考え方で随分感想がブレるものですから。

  • 所有デジカメはGFX100S1台のみ
  • 現在の主力レンズはGF55mm
  • 主な撮影対象は、風景・スナップ・むすめちゃん
  • 丸一日スナップして撮影枚数は300枚程度
  • 連写しない
  • 動画撮らない
  • だいたいRAW現像する
  • GFXはiPhone

といった具合です。ちなみに上の写真では新型のGF500mmが装着されていますが、私が触った時のレンズはGF32-64mmでした。

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FUJIFILM GFX100S, GF55mmF1.7 R WR, ƒ/4 1/75 55 mm ISO 800

(とてもコンパクトなT50。FSダイヤルのFS1,2,3,目盛はフィルムシミュレーションを割り当てるだけで、その他の調整項目は記録できないそうです)

 

ボディ全般

100Sから継投された外装です。ぱっと見かつ唯一の変化点は本体ラバーが「BISHAMON-TEX」という毘沙門亀甲からヒントを得たというテクスチャーになったこと。新鮮味には欠けますが、私はこのボディを気に入って使っているので個人的には歓迎です。それにBISHAMON-TEXの効果は結構大きくて、グリップ力の向上と共に剛性「感」も良くなっていました。見た目同じだけでフレーム変わりました?と店員さんに質問したぐらい。あと私が常にこき下ろしている親指ダイヤルの感触も改善していて、「大人のグリコのおもちゃ」ぐらいにはなっていました。自分の100Sダイアルと回し比べると差は歴然で羨ましくなりました。

 

EVF

0.5型有機ELファインダー 、約576万ドット0.84倍というスペックです。100Sは約369万ドット0.77倍なので数値的にはしっかりスペックアップしている印象。ここは結構変化が感じられるかも?と期待していた部分です。で、実際に覗いてみると…確かに違いは感じられるのですが、感動するほどではありませんでした。ちょっと大きくなってちょっと解像感が増したけど、違いは確かに分かるけど、それで???といった具合です。わぉ!見やすくて感動⭐︎というレベルではありませんでした。自宅へ帰る道中、梅田のヨドバシカメラで覗いたZfの方が綺麗に感じましたね。好みもあるかもしれませんがニコンEVFは本当に綺麗です。

 

動作速度全般

起動速度、ボタンを押した時の反応速度、タッチパネルのレスポンス、全て高速化していました。体感「一呼吸」ぐらいですが、全体的にキビキビ動作するようになって好印象。特に起動速度が上がったことは好感が持てます。100Sも遅いとは思っていませんが、今まで撮りこぼしていた状況でもモノにできる状況は増えそうなのがグッド。

LCDのタッチパネルに関しては漸く実用できるレベルに到達したかな、と思いました。AFエリアの設定とか、撮影済み画像のシークには使えそうです。GFX100Sをタッチパネルはもっさりですからねぇ。。。現代人が一番多く触れているタッチパネルってiPhoneじゃないですか。そのiPhone触った後にGFX100Sを操作すると暴れたくなります。なので今までは正直眼中にありませんでした。これが「使ってみようかな」と思えるようになったのは進歩です。

 

AF関連

私がよく使うフォーカスモード「AF-C」、AFモード「ワイド/トラッキング」瞳AF「顔検出ON/瞳AF AUTO」で試してきました。まずAF-Cとトラッキングについて、ここはプロセッサが新型にアップデートされて演算処理が上がったな、とすぐに感じました。認識&追随がスムーズになっています。合焦している緑枠がスルスル動く感じ。次に瞳AF関連ですが、これも明らかに高性能化していました。GF32-64mmの広角端で、5mぐらい離れた人物の瞳をしっかり検知しています。被写体がくるっと回って一度認識が外れても、すぐに顔→瞳を検知しました。全体的な動作速度が向上したことと相まって「GFXじゃないみたい!」と嬉しくなったポイントです。

まぁ私が今までフジ機を使ってきた経験上、AF枠が緑になっても、それはカメラが被写体を検知しただけで、ピントが合う確証はない、と思っています。その信頼度がどのぐらい回復するかは100S Ⅱをしっかり使ってみないと分かりません。合わせて使うレンズのAF性能にも大きく左右されますしね。個人的にGFレンズではGF50mmがAF挙動ベストエフォートだと思います。

 

感想まとめ

この3年間GFX100Sしかデジカメを使っていない、連写しない、高速な被写体もほぼ撮らない、ソニーキヤノンニコンの信頼度の高いAFも知らない、極めて低次元な私の感覚の場合、GFX100S Ⅱは様々な部分で変化を感じる事ができました。特にAFと全体的な反応速度はかなり高速化しています。反面、どこか飛び抜けて良くなった部分は無かった様に感じました。

退店して最初に思ったのが「オイル交換みたいなモデルチェンジだな」。車やバイクに乗らない方には分かりづらいと思いますが、オイル交換直後ってエンジン回転やギアチェンジの感触、加減速のフィーリングがシルキーで感動しますよね。イイネイイネキモチイー!とニンマリしちゃったり。プラシーボではなく実際滑らかになっているのでしょう。ただしその感動の持続時間って持って10分、下手すると10秒ぐらいじゃないですか。100S無印→100S Ⅱの変化はそんな感じです。10秒ってことは無いでしょうが翌日には感動は霧散して「ま、こんなもんかな」になってそう。実際に高速化の恩恵が消える訳ではありませんが。カメラの性能を使いこなす様なスタイルの方なら、もっと変化を実感&成果に繋げられると思います。

 

改めてフラグシップのGFX100 Ⅱを触ってみて

富士フイルムフォトサロンでは新型のGFX100S ⅡとフラグシップのGFX100 Ⅱ(分かりにくい)を触り比べることができました。ここではその感想を述べようと思います。

結論から言いますと、私はGFX100S Ⅱの方が好感触でした。もちろんフラグシップ機の方が性能面で秀でていることは理解&体感した上での意見です。ただし明確な優劣があるわけではなく、フラグシップのGFX100 Ⅱは私に合わない部分が2つだけあった、といった理由です。

一つ目はEVF。100 Ⅱの優位な点はいくつもありますが、その中で大きなものの一つはEVFだと考えます。0.64型有機ELファインダー、約944万ドット視野率約100%という圧倒的なスペックですから。しかし、しかし…私の目ではこの良さを100%享受することが出来なかったのです。悲しい。私は強度の近視で眼鏡ユーザーです。EVFはアイポイント約21mmなので視度は調整可能。ですが、残念なことに画面が大きすぎて視野の周辺がケられてしますのです。。。EVFの中心に焦点を合わせると画面周辺のSSや絞り等の情報が見えません。そちらを見るためには覗き込む様に眼球を移動させる必要がありました。これを何度も繰り返すのは正直シンドイ…ちなみに裸眼で覗けば(近視は補正できてないものの)視野全体に世界が広がって快適そうでした。この点に気づいた時はガックリでしたね。コンタクトにすれば解決ですが、目に何か入れるの怖いタイプなので難しいです。。。

二つ目はグリップ。私は手が小さいので100 Ⅱのグリップは大きく深すぎで、重量以上に機材が重く感じてしまったのです。手に持ってグッと来ない。。。また、私は100Sでスナップする際、右手の中指1本をグリップに引っ掛け、カメラをぶーらぶらさせながら撮り歩くことが多いのですが(ハンドストラップは装着してますよ)、100 Ⅱではどうもそのスタイルがしっくり来ず「こんな持ち方してたら中指折れるわ!その前にカメラ落とすし!」と突っ込みたくなりました。(いずれもGF32-64mm装着状態)単純に機材が重いだけなら頑張ればいい話ですが、どうも私の手と100 Ⅱのグリップは合わないみたいで。ここは相性なのでどうしようもありません。

という2つの理由でGFX100S Ⅱの方が好感触と相成りました。100Sシリーズボディのグリップって私の手に凄く合ってたんだ、EVFで大きければ大きい程良い訳じゃ無いんだ、という気づきを得た一件でした。ネット社会だとどうしてもWeb上でスペックの比較に走りがちですが、実際に自分の手で触って感触を確かめるのは大事ですね。タッチ&トライの場を設けて下さっている富士フイルムフォトサロンには感謝です。こういう場所は大事ですねぇ。

 

おわりに

富士フイルムフォトサロンに展示されていた新製品で、一番好印象だったのはXF16-50mmF2.8-4.8 R LM WRでした。非常に小さく羽の様に軽いボディ、操作した感触もグッド、しかもインナーフォーカスインナーズームという衝撃!

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FUJIFILM GFX100S, GF55mmF1.7 R WR, ƒ/5.6 1/160 55 mm ISO 3200

(この組み合わせいいなぁ撮影捗りそう)