shigiphoto days

FUJIFILM GFXシリーズで撮った写真をつらつらとご紹介。

さそりのあたま

GWに奈良県高野辻ヘリポートで撮影した、さそり座の頭部分です。


南天低空を通過するさそり座は撮影条件が厳しいです。南天に光害がなく、空気が低空まで良く澄んだ夜でなければ撮影できません。更に気候の都合上、撮影出来るのは梅雨までの数ヶ月。なかなか難易度の高い対象です。

しかしさそり座には美しい撮影ポイントがたくさんあるのです。カラフルなアンタレス付近、蒼い馬、暗黒帯etc…条件が厳しくてもうまく撮れればとても美しい写真になる。毎年天体写真ファンを駆り立てる領域だと思っています。

(敗北→リベンジの繰り返しが大多数だと思ってます)

DSCF7172

———————————
撮影データ
場所:奈良県五條市大塔町篠原 高野辻ヘリポート
赤道儀:Higlasi-2CES(ノータッチガイド)
カメラ:FUJIFILM X-T2(無改造)
レンズ:XF 90mm F2.0 R LM WR
露出:300秒45枚, ISO3200
ダーク&フラット補正:RStacker, 加算平均合成:DeepSkyStacker, 画像処理:Lightroom & Photoshop
———————————


使用したレンズは換算135mmになるXF 90mm F2.0。ポータブル赤道儀のHiglasiには最もバランスの良いレンズです。日中の撮影はもちろん、天体撮影でも大変良い画質のレンズですが、何故か今回の撮影だけ画面左端が片ボケでした。うーん、なんでだろう…


このさそり座は、私が今まで撮った天体写真の中で最高かつ精一杯の1枚です。撮影も画像処理もとーっても頑張りました。特にPhotoshopでの画像処理はまだまだ不慣れな為、手法と効果を1つ1つ確認し、処理の組み合わせを試し、闇の中を少しずつ突き進むが如く心持ちでの作業です。正直先が見えない時は辛かったですね…なんとか形になったので今は一安心ですが。


星雲は強調、星は色をつけつつ飽和を抑える、ノイズは極力出さない、このバランス取りが非常に難しいですね。天体写真を撮影するにあたっては人気で美しい対象はたくさんあります。今までは憧れるがまま難しい対象も撮影して来ましたが、今後はある程度身の丈に合った対象を選んで撮ろうかな、と思ってしまいました。