はじめに
数日前に発表されたGFX100S。既存のGFXユーザーは気になっている方も多かったのではないでしょうか?もちろん私もチェックしていました。事前のリークで大まかな情報はキャッチしていたものの、オンラインイベントを見た時は久しぶりにワクワクしましたね。こういう新製品で期待させてくれるところがFUJIFILMの良さだと思います。初代X100が発表された時も衝撃が走った記憶が…他のメーカーだとSIGMAの山木社長の製品発表は楽しいので好きです。
で、件のGFX100Sは同じく新製品のGF80mmF1.7とセットでものすごく気になっています。1番注目しているのはサイズ。私のGFX50Rの不満点は正面から見た時の大きな横幅です。これがもう少しだけ短ければスマートなのに、と思っていました。この点が実際にはどうなっているのかが最も気になる所でした。もちろん、手振れ補正や1億画素、というのも注目ポイント。その他もろもろの気になる点も含めて確認すべく、難波にあるFUJIFILM Imaging Plaza 大阪に行ってきました。
10時の開店と同時に入店?すると1番目立つ所に新製品が並んでいました。GFX100SだけでなくX-E4や新しいレンズも展示されています。力入ってる感じですね。GFX100Sを見に来たことを伝えると、対面ブースに通され色々説明しながら触らせてもらえました。想像以上に高待遇でありがたい限り。
GFX100Sの見た目
ちょっと興奮気味だったのでiPhoneでしか写真撮っていませんでした。。。
GFX100Sは想像より小さく軽かったけど、グリップはX-H1より大きかったかな。気になってた以下3点が明確になって満足。
— shigitoki (@shiginununu) 2021年1月31日
・シャッターボタンは浅め
・USB給電しながら撮影可能
・ファインダーは50Rと数値上同スペックだけど綺麗 pic.twitter.com/2uTGnCB7QS
ファーストインプレッションはこんな感じ。
- ペンタ部分の背が低くてカッコいい
- 写真や動画で見るよりコンパクト
- 持った感じは普通のフルサイズミラーレス一眼(レンズによる)
- グリップ部分のゴムがしっとりしていて持ちやすい
- レンズを付けると巨大(GF80mm、GF110mm、GF32-64mm)
- GF50mmと合わせると可愛い(1番似合ってるかも)
- GF80mmと合わせるとカッコイイ(レンズは樽みたい)
とにかくGF50mmと80mmとのマッチングが素晴らしく、見た目が好みだったのでうひゃーっと盛り上がってしまいました。いい、いいよ、このカメラ!
弄り回した簡単な感想や発見点は、
- AFフォーカスレバーは太くなって操作しやすい
- EVFはGFX50Rより明瞭で見やすい(スペックは同じ)
- USB-Cで給電しながら動作可能(天体撮影や動画で便利そう)
- シャッターボタンのフィーリングははX-H1系(H1ほど浅くはない。H1のフィードバックで押し込み量を調整しているとのこと)
- GF80mmのボケは、量だけならフルサイズ機で明るいレンズをつけた方が大きい。質はGF63mmと似て前後ともに滑らかで美しい。
- カスタム登録にマウントアダプター設定は含まれない
という具合です。AFのやタッチモニターのレスポンス、手振れ補正の効き具合はXシリーズの類似機種と使用感は同じで特筆することは無いかな。
その他、細々した質問もぶつけてみました。
Q1:GFX100Sの発売キャンペーン対象にGF80mmF1.7が含まれてない理由は?
A1:新製品だから。
Q2:GFXシリーズの今後の展開は?
A2:Xシリーズと比べてユーザー数がまだまだ少ないので、ユーザーを増やせる様な施策を計画している。
Q3:フジ機全般、親指ダイアルの感触は官能的では無いと感じているが、意図したものか?
A3:意図した感触で、ユーザーの声を常にフィードバックしている。最近のモデルではしっかりしたクリック感の強い方向性。
Q4:無圧縮とロスレス圧縮のRAWで画質差はある?
A4:画質に差は無い。
テスト撮影した写真
GFX100(100Sではなくグリップ一体型のやつです。100Sは展示用の試作機なのでデータ持ち帰りはご遠慮ください、とのこと)にGF80mmF1.7、GF110mmF2を付けて撮影した写真を少しだけご紹介です。ちゃんと比較するつもりではなかったので、被写体は同じでも構図や撮影倍率が違うのはご了承下さい。全ての写真が各レンズの絞り開放です。
店舗の電球。110mmと80mmの描写の傾向はすごく似ています。ガラスのヌメッとした質感がすごいですね。GFX50Rと比較すると、1億画素はピント面がより緻密でそこからスッとボケていく様に感じました。
造花。Velviaでストレート現像しただけです。やはり2本のレンズの特性は似ていると思います。
GF110mmの絞り開放で最短撮影です。フィルムシミュレーションはエテルナブリーチバイパス。X-Pro3のDRカラーに似合う、正にいぶし銀な印象ですね。
正直、1億画素でも手ぶれ補正があれば、撮影はGFX50Rより100シリーズの方が圧倒的に軽快でした。
逆に劣る点はRAW現像最後の書き出し処理。私は2018年モデルのiPad12.9インチモデルで現像しています。取り込みやパラメータ調整に関しては差は感じなかったものの、書き出し処理は倍以上時間が掛かった様に感じました(ローカルキャッシュ削除してサーバから1枚200MBのRAWファイルをDL→レンダリング)。今まで使ってこなかったですが、仮に1億画素のモデルを使用する場合はロスレス圧縮RAWを使った方が良いと思います。
悪かったところ
基本的には比較対象がGFX50Rなので悪いところは目につきません。「重いから」「レンズが高いから」も中判システムとはそういうもの、という理由で納得できます。
ただし1点思ったのは「値段の割に質感が低い(高級感が無い)」です。例えば同じぐらいの価格帯のカメラとしてハッセルブラッドの907X+CFV Ⅱ 50C、少し背伸びをすればライカのMシリーズが手に入ります。しかしGFXシリーズはシステム全体として、投資金額に対するほどの高級感が無い様に感じました。
もちろん、ハッセルやライカは質感のトレードオフで機能性や信頼性はGFXシリーズに劣ります。どこにお金を掛けるか、そのベクトルの違いというのも理解はできるのですが、人情としてウン十万するカメラはもう少し官能性に力を入れて欲しいなぁと思った次第です。
おわりに
上でも書きましたが、GFX100Sを見に来たことを伝えると非常に快く応対してもらえました。気になるレンズは取っ替え引っ替え、ボディもGFX50R(自前)とGFX100とGFX100Sを取っ替え引っ替え、発売済み製品に関しては撮影データも持ち帰りOK、GFX100Sをちょっと触れればいいや…ぐらいの気持ちで赴いたものの、至れり尽くせりで予想以上に楽しんでしまいました。
まぁGFXシリーズは総じてお値段がお値段ですからね、サービスの結果気を良くしたユーザーが何か買ってくれれば販促として成果大なのでしょう。私の家からはちょっと遠いのですが、えいやと出かけて正解でした。