shigiphoto days

FUJIFILM GFXシリーズで撮った写真をつらつらとご紹介。

GFX100RFをタッチ&トライしてきたので感想を

はじめに

先日、GFXシリーズの新機種が発表されましたね。レンズ一体型で小型軽量なGFX100RF。X Summitは奥さんに頼んで夕食中にリアタイ視聴し(19時〜20時だった)、めちゃめちゃ気になったので早速大阪の富士フイルムフォトサロンに触りに行ってきました。

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FUJIFILM GFX100S II, GF45-100mmF4 R LM OIS WR, ƒ/4 1/170 45 mm ISO 800

 

私はデジタル・フィルム共に中判を主にしております。それゆえ、現行の新型カメラの大半はターゲットになりません。美しいSIGMA BF、グローバルシャッターのSONY α9Ⅲ、モノクロ専用PENTAX K-3MkⅢ Monochrome…いいなぁと思うも本気の検討対象にはならず。。。新製品の発表で心揺れ動かされない代わりに祭りにも乗り切れず、ちょっと残念に思っていました。そこに颯爽と現れた100RFくん。買う買わないを横に置いても、心から盛り上がれるカメラの発表は嬉しいものです。

まー普通に考えて去年100SⅠⅠを導入しているので買い増しは金銭的に不可能です。しかし発表から丸一日、検討は過剰に加速して「納得するカメラなら100SⅠⅠと入れ替えて…業務(こどもさつえい)用には高性能なAPS-C、レンズはSIGMAの新型16-300だな!」とまで思うようになりました。思い込み激しいですねぇ。

ただしある程度の理性は残っています。論理的なエクスキューズが無ければ買い替えはできません。今回はそれを「質感」としました。所有しているだけで気分良く、無意味に触ればニンマリ、実際に撮って満足、そんなカメラなら買ってヨシ!ということにしたのです。ハードルが高い気もしますが、X Summitの力の入れ具合や紹介の仕方、価格設定などからは期待をそそらせる波動を感じました。


実際のところ、デジタル面の性能は(経験上)想像も予想も出来ます。なので気になるのは上に挙げた「質感」と「AF性能(レンズの挙動)」。今回のタッチ&トライではここを重点的にチェックしてきました。前書きが長くなりましたが、ここからは触ってきた感想を書いていこうと思います。

 

重量・サイズ・外観

プレスリリースの画像を見て思いました「(アスペクト比ダイヤル推してるのに)アスペクト比おかしくない?縦にキュッと縮めちゃった?」と。そうでなくても縦長だな…と思った方は多いのではないでしょうか?ご安心下さい。実物は違和感の無い普通のカメラです。私の所有する中判フィルムカメラGS645Wと比べたら縦方向は短いぐらい。縦の長さより、横幅の短さが際立つ感じです。

重さは公称735gという事で軽いです。中判カメラとしては小さいながらもそこそこサイズのボディなので「見た目より軽いな」という印象でした。この重量とサイズが「軽くて持ち出しやすい」となるか、「デカくて重くて防湿庫の肥やし」になるか、これは人それぞれでしょう。少なくとも既存のGFXユーザーならニッコリです。サイズと重量のバランスが良くのでグリップは掴みやすく感じました。


フォトサロンの店員さんが、いろいろカメラを出して比較させてくれました。「X Summit見て気になって朝イチできました!」と言うと喜んで頂き、棚の中から出るわ出るわw サイズ感はX100Ⅵ >> GFX100RF  >>> GFX50R >> GFX100ⅠⅠといった具合かな。

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FUJIFILM GFX100S II, GF45-100mmF4 R LM OIS WR, ƒ/8 1/50 58.6 mm ISO 80

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FUJIFILM GFX100S II, GF45-100mmF4 R LM OIS WR, ƒ/8 1/50 83.1 mm ISO 800

 

質感

私が一番気になっていた点です。結論から申し上げると「チグハグ」。めっちゃ良い点と看過出来ない点が1台の「軽くて」「コンパクトな」ボディに共存しています。

良かったのはアルミ削り出しの天面、S.C.M切り替えスイッチ、デジタルテレコンレバー、前後ダイヤル、露出補正ダイヤル、絞りリング、フォーカスリング。特にS.M.C切り替えスイッチはめちゃめちゃ気持ちよく動きました。露出補正ダイヤルも適度な硬さと回した際に指に小気味良いフィードバックがあって良い感じ。今まで私がボロカスに評価してきた前後ダイヤルも等々「良い!」と言えるクオリティに仕上がっていました。(ちなみに私の100SⅠⅠの後ダイヤル、劣化が始まってカサカサしてます)

普通なのはSSダイヤル、感度ダイヤル、貼り革部分のボタン類。ボディ部分のボタン類は普通の感触です。ただし天面部の感動はなく、従来通りの富士フイルム機の感触。LeicaMシリーズやQシリーズの様な「良い物使ってる!」感を期待していたので残念でした。個人的には100SⅠⅠのボタンの方が実用面も推し心地も好みです。

さて、最後に酷かった部分を。これは、電源スイッチ、アスペクト比切り替えダイヤル、メディアカバー、インターフェースカバーです。電源ONOFFの感触は非常に安っぽく、カメラを起動する度に撮影意欲が削がれるでしょう。突起部分に指を当てて上下させるとカタカタ動きます。早晩壊れるのでは…?防塵防滴は…?不安が脳裏をよぎります。また、売りにしていたアス比切り替えダイヤル、死ぬほど硬いです。指の腹でダイヤルの角を捉えても回りません。無理やり回すと指の皮が剥けるかも。。。天面側から指を垂直に当ててダイヤルに均等に力をかければ「グネリ」とした感触で回転しました。展示機のシルバーとブラック2台とも同じです。正直この2台が大外れであって欲しい。仕様だとは思いたくありません。あと、カバー類はグリコのオモチャでした。

ということで「質感」を求める自分としては極めて残念(ハッピー?)、100SⅠⅠとの入れ替えは無くなりました。。。お金があって普通に買い増しなら幸せになれるんですけどねぇ

 

AF

寄れました!最短20cmは便利ですね。GF35-70mmの望遠端やX100〜X100Fの最短撮影時に発生するフワフワもありません(個人的にはあった方が好み)。遠景や厳しい条件で撮影はしていませんが、GFレンズとしての基準はクリアしているはずですから、そこは心配無いと思います。

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FUJIFILM GFX100RF + SUPER EBC GF35mmF4.0, 1/125 35 mm ISO 1250 (35mm)

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FUJIFILM GFX100RF + SUPER EBC GF35mmF4.0, 1/125 35 mm ISO 1600(デジタルテレコン63mm)

 

ただしAF速度は遅かったです。「GFX100SⅠⅠ + GF50mmに匹敵する」レスポンスかと思っていましたが、GF35-70mmより遅い印象でした。GF63mmにちょっと勝るぐらい?少なくとも、Xシリーズはもちろんのこと、他社製の超常的AF性能なカメラと比べると亀です。全体的なレスポンスは良かったのにAF速度だけ数年前な感じです。公式サイトに馬の写真がありますが、走ってる馬にAF-Cで合焦は難しいのではないかと。。。

 

おわりに

残念ながら100SⅠⅠとの入れ替えは無い、という判断になりました。先に書いた通り普通に買い増しなら楽しめると思うのですが。自分の中で期待値を上げすぎたのかもしれません。だたし私の提唱する「GFXはiPhone!」を強力に推し進められるカメラではあったと思います。そう考えると100SⅠⅠとの入れ替え→質感を求める、という要件定義自体が無理筋だったのかもです。ちょっと舞い上がって私自身を見失っていたのかも・・・ちょっと反省。落ち着いてから読み返すとちょっと主観的に過ぎる内容な気もしますが、感想ということでご容赦下さい。

富士フイルムのカメラ全般に言えることですが、自分の要求に合うか、必要か、しっかり見極められる人向けだと思いました。

ここまでに触れなかった項目を箇条書きにして、締めとさせて頂きます。

  • ブラックもシルバーもカッコイイ!
  • ブラックの天面は指紋が目立ちそう
  • シルバーの方が大きく見えた(膨張色?)
  • バッテリー室の蓋は気持ちよく開閉できる
  • EVFの見え方は100SⅠⅠと同じ
  • LCDは高精細
  • EVFLCDの色味は合ってない(フジ機は合ったことない)
  • チルト機構のヒンジは上質
  • 天面の感触は良く撫でるとアガる
  • AF中はレンズが前後にウニウニ動く
  • AF駆動は静か、音も振動も感じない
  • ピント精度は良い!
  • アスペクト比3:4モードのEVFは縦表示でハーフカメラみたいで楽しい
  • 「デジタルテレコン中のLCD表示が粗い」と聞いたが気にならなかった
  • 手ブレ補正は無くても意外とイケる
  • GFX50R超デカい、100RFよくぞここまで!
  • X-Pro3 DRブラック、汚れた姿が悲しい・・・