はじめに
触ってみた感想
GF35-70mm、手に持った印象は「実用品」です。数値的にはGF50mmより重いはずなのに感覚としてはGF35-70mmの方が軽く感じました。サイズと重量のバランスがそうさせるのでしょうね。ズームリングのトルクは程よいものの感触はちょっとざりざりしていて官能性は皆無。ピントリングはGF50mmと同じ感触でした。まぁ高級感を求めるグレードではないので納得の仕様ですね。
レンズの描写について
GF35-70mmで気になっていたのは2点。F4.5-5.6でどの程度ボケるのか?開放最短はどの程度甘いのか?です。このレンズに注目している人は皆気になるのではないでしょうか。なので、少しだけ試してきました。焦点距離70mmの最短でF5.6とF8.0を撮り比べです。
被写体はテーブルの上の造花。左がF5.6で右がF8.0です。構図を揃えるために少しだけトリミングしています。画像比較スライダー導入していて良かった!
100%等倍で。
開放は結構ボケますね。そしてかなり甘い描写です。ですがF8.0まで1段絞ればピシッと引き締まります。個人的には70mm開放最短はX100Fの開放最短を彷彿とさせてかなり好きでした。風景撮る時はどうせ絞りますし。単焦点のGFレンズはどれも開放から超性能なので、1本ぐらいこんなレンズがあってもいい気がします。
最短撮影距離について
このレンズはテレ端で最大撮影倍率0.28倍です。ちなみにGF50mmは0.1倍。この差はとんでもなく大きなものでした。GF35-70mmはどの焦点距離でもめちゃめちゃ寄れます(当社比)。感動的。神レンズ。食事のテーブルフォト撮る時に立たなくていい。このレンズを使えばGFXでもiPhone感覚ですよ。正直、この利点のためだけでも導入する価値があると思います。
描写面の弱点について
レンズ描写の評価点は解像、ボケ、収差だと思います。このレンズで良かったのは解像と収差。1億画素でもしっかり解像してますし、広角端の周辺でも変に流れたりしません。凄いですね。逆にこの2つからちょっとだけ劣るのはボケ質です。少し硬い印象でした。汚いボケというわけではありませんが…その後試したGF45-100mmは単焦点レンズみたいな描写だったので、どうしても比べてしまっているのかもしれません。
写真としてはしょーもないですが厳しい条件で試写したものです。逆光耐性は高く、球ボケにオニオンリングも出ていません。ちょっとボケが硬い「だけ」と言ってもいいんじゃないでしょうか。
作例をもう一枚。後ろボケに比べて前ボケの方が硬い印象です。開放最短の甘い描写もそうですが、レンズ描写の傾向を理解した上で使いこなしが必要なレンズと言えるでしょう。
GF35-70mmの評価は購入金額によって大きく変わると思います。50SⅡとのセット価格なら良キットレンズですし、単品販売の価格なら悪くないけどちょっと高いかも…GF50mmの置き換えになるかな?と期待していましたが、性質が異なるレンズなので入手するなら買い増しでしょうか。まぁ在庫もお金も無いのでしばらくは静観です。