shigiphoto days

FUJIFILM GFXシリーズで撮った写真をつらつらとご紹介。

GFX100Sで使うsmc PENTAX-FA645 Macro 120mmF4レビュー

はじめに

今年になって何本か機材レビューの記事を書いております。どうしてもGFXボディだったり純正GFレンズから手をつけることになりますが、別メーカー製の気に入っているレンズも取り上げたいと思っていました。GFレンズは高いですしラインナップも潤沢とは言えませんからね。私はよく使う焦点距離は純正、それ以外の(レアな)焦点距離は別メーカー物を使ってコストを抑える作戦でレンズラインナップを揃えています。

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/5.6 1/350 120 mm ISO 1600

 

で、タイトルにある通り今回はPENTAX645用のマクロレンズ、smc PENTAX-FA645 Macro 120mmF4をご紹介します。GFXシリーズで使うと35mm換算95mmのマクロレンズ。同じ焦点距離のGFレンズもありますが、そちらはハーフマクロなので特性は違いますね。ここでは1億画素のGFX100Sで使う観点でレビューを書こうと思います。まぁ現行レンズですし。結果は分かりきっているとも言えますね。

www.ricoh-imaging.co.jp

PENTAX645Dや645Zと組み合わせたレビューがフォトヨドバシに沢山あるのでご参考にどうぞ。私は何回も何回も見返しました。こういう情報は有難いですね。

photo.yodobashi.com

 

本題

早速ですが結論です。このレンズは純正のGFレンズを除くと、私がGFXで使ったレンズの中で最も高性能で最も信頼できるレンズです!しかもダントツで。解像、発色、抜け、全て満足しています。私の経験上、レンズの解像がセンサーに負けるとモヤモヤした像になります。古いレンズは一見大丈夫でもよく見るとその傾向がありますが、この120mmマクロレンズは全く問題ありません。純正レンズで撮った写真と並べても見劣りせず輝いて見えます。これは私の中では非常に大事なことです。努力して撮った写真を見てガッカリすることほど悲しいことはありませんから。

 

お気に入りの一枚。日の出日の入りの撮影ってレンズには結構厳しく、特性がよく見えます。この写真は普通ですよね?それは解像/発色/抜け、全てがしっかり備わっているから。

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/8.0 1/200 120 mm ISO 100

ちなみに、同じPENTAX645用の200mmF4はちょっと黄変しているのか、発色がイエローに転びます。同じ場所で撮り比べた訳ではないので一概に比較はできませんが。200mmレンズはいつもこの発色です。これはこれで好きですけどね。

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 200mmF4, ƒ/11.0 1/4000 200 mm ISO 200

等倍画像チェック

今回はマクロレンズなので、解像力を見ていただくために等倍画像も用意しました。まずは葉っぱの葉脈をどうぞ。GFX100Sの1億画素にもしっかり対応できていますね。見事です。私はこういう葉脈を等倍表示してはニヤニヤするタイプ(笑

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/5.6 1/600 120 mm ISO 200

友人の8枚玉。絞りバネに油浮きは見られません。状態良さそうです(笑

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/4.0 1/480 120 mm ISO 200

折角なので遠景でも一枚。木々の葉っぱがしっかり分離していますね。解像がイマイチだとこれがノイズ+塗り絵みたいに潰れ、葉っぱがヘニョヘニョになっちゃいます。。。

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/8.0 1/170 120 mm ISO 500

このレンズで撮った写真たち

等倍画像はここまでですが、上記以外の写真もご紹介します。

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/4.0 1/50 120 mm ISO 2500

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/5.6 1/125 120 mm ISO 3200

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/4.0 1/250 120 mm ISO 250

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/5.6 1/320 120 mm ISO 2000

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/5.6 1/320 120 mm ISO 250

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/8.0 1/1000 120 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/8.0 1/500 120 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/4.0 1/320 120 mm ISO 2500

フィルムのデジタイズ用レンズとしての活躍

タイトルの通りで、私はこのレンズでフィルムのデジタイズ(デュープ)を行なっています。今までこのブログでご紹介したフィルム写真のデータは基本的に全部ですね。一部業者の画像が混じっているかもしれませんが。性能面に不安は皆無なので安心して取り込めています。取り込み装置状態は長いですけど…この写真では分かりづらいですが、たわまない様に下からプレートで支えています。

Apple iPhone 12 ƒ/1.6 1/60 4.2 mm ISO 400

Franke & Heidecke Rolleicord IV, Xenar 75mm F3.5, Velvia100

Franke & Heidecke Rolleicord IV, Xenar 75mm F3.5, Provia100F

Franke & Heidecke Rolleicord IV, Xenar 75mm F3.5, ACROS

 

このレンズの弱点

最初に褒めて後から落とすパターンになってしまいますが、もちろんこのレンズにも弱点はあります。私が気になるのは以下2点。どちらも近接撮影時に発生します。

  • 近接撮影&絞り開放時の色収差
  • 玉ねぎボケ

色収差

いくら現行品とは言えこのレンズの発売は2009年。日進月歩の業界なのでどうしても1世代古い設計という印象は拭えません。マクロ撮影時に絞り開放にすると被写体によっては色収差が目立ちます。シアンとマゼンタ両方出ますね。この辺がコントロール出来れば「使いこなせてる」と言えるでしょう。私は…要精進です(笑

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/4.0 1/500 120 mm ISO 200

こちらの写真は普通の光源で撮影したもの。少し色収差はありますが、私は寛容なタイプなので気になりません。ちょっと綺麗かな?とも思います。

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/4.0 1/400 120 mm ISO 400

玉ねぎボケ

もう一つの弱点は球ボケにオニオンリングが発生すること。玉ねぎボケとも言いますね。安価なズームレンズみたいに酷くはありませんが、一瞬アレ?と思ってしまいます。というか、この2つの弱点はどちらも近接撮影時のもの。遠景の描写は文句なしな反面、本職のマクロ撮影に弱点があるのは残念です。しかしどちらも壊滅的ではありませんし私が気になるのはこの2つだけ。中古価格もこなれています。というわけで弱点はあるものの「最も信頼できる」と総評では申し上げた次第です。

FUJIFILM GFX100S, smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4, ƒ/5.6 1/400 120 mm ISO 400

 

番外編

MAMIYA Macro A 120mm F4

実は645フォーマット用の120mmマクロレンズというのは総じて高性能だそうです。私が経験しているのはPENTAX645とMAMIYA645用の2本だけですが、他にもCONTAX645やゼンザブロニカにも同じ焦点距離マクロレンズが存在し、いずれも素晴らしい性能だとか。私は安価で入手性の良いPENTAXとMAMIYAを選択しましたが、他メーカーの物をお持ちならそちらでも十分かもしれません。GFX50Rで撮影したので同じ土俵ではありませんが、参考までに、MAMIYA 645用で撮影した写真を何枚か載せておきますね。

FUJIFILM GFX 50R, MAMIYA Macro A 120mm F4, ƒ/5.6 1/500 120 mm ISO 640

FUJIFILM GFX 50R, MAMIYA Macro A 120mm F4, ƒ/5.6 1/250 120 mm ISO 1250

FUJIFILM GFX 50R, MAMIYA Macro A 120mm F4, ƒ/8.0 1/6 120 mm ISO 200

 

おわりに

最初に総評を書いてしまったので締めのコメントが難しいですね(笑 色々取り上げましたが、通常の撮影からフィルムのデジタイズまで、幅広く活躍してくれているレンズです。焦点距離の近いGF110mmも所有していますが特性が全く異なるので競合はしていません。

あ、1つ注意点を書き忘れていました。このレンズは絞りリングを単純に回しただけでは絞り羽根は動作しません。絞り羽根を動かすための専用リングを備えたマウントアダプタを使用する必要があります。その分ちょっとアダプターは高め。他のPENTAX645用レンズに興味が無ければMAMIYA645用をオススメします。逆にPENTAX67レンズを使いたい場合はこちらをどうぞ。