shigiphoto days

FUJIFILM GFXシリーズで撮った写真をつらつらとご紹介。

JPEG撮って出しは予想外への挑戦なのかもしれないと思った話。

みなさんはデジカメで写真を撮影した後、RAW現像しますか?それともピュアなJPEGで運用しますか?私は前者です。JPEG撮って出しは後処理が必要無いので撮影→公開までがスムーズですよね。しかし撮影時にしっかり完成系の絵を想定して撮る必要があります。ではRAW現像は後処理である程度リカバリできるので撮影時は無頓着でオッケー…という訳でもありません。総じてRAW現像の方が手間が掛かるのは事実でしょう。

私は写真1枚1枚でベストな設定は異なっていると考えています。撮影時、瞬時にそれを判断→設定するのは不可能なので、仕方なくRAW現像していると言えます。気分にもよりますが無調整のままの写真も2-3割はあります。

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR C 80mmF4 MACRO, 1/320 80 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR C 80mmF4 MACRO, 1/2400 80 mm ISO 200

ちょっと話が逸れますが、先日、フィルムで撮った写真で非常に気に入った1枚がありました。知人を撮影したものなのでご紹介できないのが残念ですが、その写真は主題/副題/露出/ピント/構図/ボケ/レンズ特性/フィルム特性…私がコントロール&思いつく要素を全て考慮して撮影したものです。現像上がりの写真は99%思い通りでした。想定外に写ったフレアを除いて。。。しかしそのフレアは黒髪を柔らかく照らしており、100点だった写真を120点に引き上げていたのです。その写真を見た瞬間体験しました。写真でよく聞く「予想外が面白い」「偶然が面白い」というのはこのことか!と。

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR C 80mmF4 MACRO, 1/50 80 mm ISO 3200

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR C 80mmF4 MACRO, 1/34 80 mm ISO 1600

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR C 80mmF4 MACRO, 1/28 80 mm ISO 1600

一度経験すると人間欲が出ます。もう一度あの体験をしたい。あんな写真が撮りたい。でも悲しいことに中判カメラで揃えた私のフィルム環境、試行錯誤するには1ショットのコストが高すぎます。デジタルは金銭面が安心な反面コントロール可能な部分が多すぎるので難しそう。ならデジタルでISO縛り、フィルムシミュレーション縛り、撮って出し縛りにすればフィルムに撮影状況を寄せられるのでは?と安直に考えました。と、ここでふと閃いたのです。

JPEG撮って出しの魅力は「予想外」「偶然」に挑戦出来る所かもしれない!

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR C 80mmF4 MACRO, 1/45 80 mm ISO 3200

正直に申し上げますと、JPEG撮って出し派に対して「RAW現像が面倒なだけでしょ」「撮って出しに酔ってるんでしょ」「撮って出しでこんなに綺麗なのにわざわざ時間かけてRAW現像するなんて…とか思いながら撮って出しタグ付けてるんでしょ」等々、捻くれた考えを抱いたこともあります(ごめんなさい)。写真も人もパターン多いのだからスタイルが細分化するのは当然だよね、と今は思っておりますが。それが上で述べた閃きによって一気にベクトルが変わった感じです。プラス思考!

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR C 80mmF4 MACRO, 1/320 80 mm ISO 500

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR C 80mmF4 MACRO, 1/320 80 mm ISO 800

気づいたので早速撮って出しを実践です。狙うのは冒頭に述べた知人の写真。一朝一夕では難しいことは分かっているので、とりあえず設定は寄せます。PRO400Hフィルムをイメージして設定しました。フィルムシミュレーションはPRO Neg. Hi、ISOは1600-6400ぐらいでノイズを多めに、シャドウは持ち上げシャープネスは強、カラークロームエフェクトを強、粒状感を与えてくれるグレインエフェクトも強に設定。GFレンズを使っては雰囲気出ないだろう…ということでレンズは転がっていたSEKOR C 80mmF4.0 Macroをチョイス。周辺にバルサム切れがあるので「予想外」「偶然」確立が上がることを期待します。今回載せている写真は全てこの設定で撮った出したもの。

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR C 80mmF4 MACRO, 1/20 80 mm ISO 3200

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR C 80mmF4 MACRO, 1/40 80 mm ISO 3200

で、撮ってみた写真がここまでに載せているものなのですが…全然上手くいきませんでした!自分でも書いた通り一朝一夕ではどうにもなりません。そもそもPRO400Hに全然似てません。「予想外」「偶然」を狙う前提としてそれ以外の部分は塗りつぶす必要があるのに、コントロール出来ずに白紙の部分が大半です。GFX100Sを使って2年弱、ある程度思い通りに撮れる様になってきたと思っていたのですが、アプローチを変えると全然使いこなせませんでした。幸いデジカメなので失敗と金銭ダメージは分離しています。失敗は成功の母、地道に練習するしかないですね。。。

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR C 80mmF4 MACRO, 1/160 80 mm ISO 3200

長々書いた割に締まらない結果ですが、最近考えたこと・閃いたこと・トライ&エラーのご紹介でした。おわり。