shigiphoto days

FUJIFILM GFXシリーズで撮った写真をつらつらとご紹介。

ハローM Typ240、ハローBiogon 2.8/28

はじめに

GF45-100mm劣化ショックが9月の半ば、その後心折れてGFXを後先考えずに売り払ったのが10月頭、この間2ヶ月はモヤモヤドンヨリしながら過ごしておりました。

当初はカメラ全般イヤになっていましたが、なぜか何度も何度も何度も!脳内で次期カメラ検討会が開催され(ドンヨリしながらも256回ぐらい)、オンラインショップのカートに入れては削除を繰り返す日々を送っていました。普段と違うのは購入ボタンを押せないこと。「これだ!」と思うセットでもポチっと出来ない日々が続いていました。

しかしこの症状も時間が解決してくれました。まだ完治した感覚はありませんが…とりあえず全治2か月弱といったところでしょうか。で、とうとう購入したセットはライカM240 + Biogon 2.8/28 ZMです。今回はなぜこのセットに至ったかをご紹介しようと思います。


まず最初にお断りしたいのですが、私はライカに対する憧れや信仰はありません。10年以上前に沼の浅瀬は経験しているので深みがヤバイことは理解していますし、「ライカサイコー!ズミクロン!ズミルックス!ノクチ!タンバール!○○玉!」という気持ちも皆無です。(正直に申し上げるとスーパーアンギュロンだけはちょっと気になります)

なのでライカ礼賛!ライカは愉悦!なお方向けの記事ではありません。ご了承下さい。
(この記事はM Typ240を購入してから受け取る間に書いています。実際に使いだしたら手のひらクルクルーの可能性もあります)

 

購入の理由

さて、前提として、今回カメラを選ぶ際に考えていたことは

GFXの代わりを探すのはやめよう

です

センサーサイズ、画素数、色、撮れるモノ、今まで撮ってきたモノ…

全てをリセットして考えました。せっかくの自分の趣味なので、撮りたい時に撮りたい様に撮る、ワガママにいこう、という方針です。こう考えると、GFX100Sシリーズはマルチロール機だったのだなぁと改めて思いました。


で、ボディとレンズの選んだ理由はこちら。

ボディ

レンズ

  • 天啓のレンズ、コシナの広角Biogonシルバー

広角Biogon

「シルバーの広角Biogonが欲しい」これは天啓でした。突然降ってきたのです。このレンズを使いたい、と。

こういう直感は大事にするタイプで当たるタイプです。GXR A12とGFX50R、GFX100Sにはこの感覚がありました。久しぶりの感覚。うれしいですね。

焦点距離は25mmと28mmどちらでもよかったのですが、28mmにしたのは在庫があったから。また、焦点距離28mmはGS645Wと同じです。M型ライカと組み合わせた時にGS645Wで培った距離感覚が生きそうだったから、というのも理由の一つです。

非球面レンズを使わない対象型のレンズ構成が好みなので、使い込むのが楽しみですね。

好きな距離で写真を撮りたい

私が今まで使ってきたカメラで、撮影が自然かつ楽しいカメラは、GS645W、ローライ35オプティマ1035、全て素通りファインダーの目測マニュアルカメラです。目測で写真撮るの好きなんですよね。ファインダーを覗く前に絞り・SS・距離を合わせ、さっと構えて撮る。このスタイルが1番手早く自然、且つ撮れていると嬉しいのです。デジタルで1番近いのがレンジファインダー機で、現実的な選択肢はM型ライカでした。ベストは目測デジカメなんですが、そんな需要何処にもないですから・・・
(なんとなく、目測カメラの撮影は「狙撃」な印象です。距離計はさながらスポッター。そう考えるとレンジファインダー、いいかも!思って購入に至った次第です)

減点法で最高得点(主にマテリアル面)

GF45-100mm劣化ショックを起点としたメンタル面のダメージは甚大でした。正直もうカメラでイヤな思いはしたくありません。

フジ機を使っていた時の私の失敗は「ん?」という小さな違和感を過小評価し無視していたことです。それが時間経過とともに大きく育って己を蝕むとも知らずに…まぁ時間経過で製品が改善する、とメーカーを過大評価していたのが悪かったのでしょう。

よってカメラ屋で各社ボディレンズの展示機を触り倒し、「ん?」「はぁ?」ポイントを徹底的に洗い出しました。展示機っていろんな人に雑に扱われまくっているので、「使い込んだらどうなるか」のシミュレーションにはもってこいです。ここの塗装剥げるの?とか、ダイヤル空回りしてますよ?とか、指紋ベッタベタでキッタナイ…などなど。減点法ってネガティブで嫌な見方ですが、GF45-100mmショックの後遺症でどうしてもポジティブに見ることができなかったです。一種の防衛本能かもしれません。

ということで、最も減点が少なかったのがライカ製品、やりたいことに合致したのがM型だったのです。

 

GFXからの変化点について考察

これまでとあまりにも何もかも変わるけどダイジョブ?という点について考えたことをつらつらと。

素数とセンサーサイズ

素数は多ければ多い方がよい。センサーサイズも大きければ大きいほどよい。この考えは今も変わりません。実際、M型ライカの一番の対抗馬はハッセルブラッド 503CW + フェーズワンP65+の組み合わせでした。645サイズのデジタルバックは憧れますね。ただしカメラに関する何もかもが大きく古くなってしまいますから。。。
GFXの気に入っていたポイントは「質の良い画素が1億個ある」です。質が良くなければ烏合の衆。価値はありません。M Typ240は2400万画素ですが、質の良い画素が得られるように工夫するつもりです。

手振れ補正

あった方が絶対便利ですが、無ければ無いで問題無いとも思っています。そもそもフィルムカメラには手振れ補正ありませんしね。以前CFV100C + XCD 3.4/75Pの組み合わせを友人に使わせてもらった時、厳しめの条件でもさほど困らなかったので大丈夫だと思っています。

AF性能

GFX100SⅠⅠのAF-Cは娘ちゃん撮影の大きな助けでした。場合によっては追いかけっこをしながらAF-Cでカメラ任せで撮る、なんてことも。性能が良ければ撮影の幅は広がります。しかし広がったその幅、本当に必要だったの?撮りたかったの?という思いがずーっとあったんですよね。これからは「なんでもは撮れないよ、撮れるものだけ」にするつもりです。

フィルムのデジタイズ

これはGFXを手放した時に切り捨てました。フィルムの利用シーンは下がりますが仕方ありません。幸い外注先にアテはあるので、細々と続けるつもりです。

腰からぶら下げなくていいの?

私がGFXやゼンザブロニカを腰からぶら下げていた理由は「1kgを大きく超えるカメラをストラップで首から下げると肩こりがすごいから」です。また、カメラを持って娘ちゃんと出かける際、抱っこの邪魔にならない、というのも便利ポイント。M型ライカならどんなレンズを装着しても軽いですし、最近は娘ちゃんを抱っこする機会も減りました。なので問題ナシです。

 

M Typ240について

加点ポイント①:見た目

コロンとしてて可愛い。以前M10-PとM-Eを並べて比べる機会があったのですが、分厚い方が可愛いかったんですよね。

また、赤バッジも目立って良いと思います。自分の視界には入りませんしね。カメラは潜ませず「写真撮ってます!!!」とPRしながら撮るスタイルなので。

逆に、天板はシンプルが好み。カメラ上部は絞り、SS、距離指標を見る場所なので、それ以外の情報はない方が良いと考えています。

加点ポイント②:作りが良い

フジ機のたくさんある良い点を大マイナスに叩き落とした質感面、ここはライカの得意分野です。当然重要視しました。物理的な質感や使用感が撮影のノイズにならないこと。超大事です。(ここがクリア出来ずに脱落した候補カメラ多数です)

加点ポイント③:お値段

ない袖は振れないし、分相応ってやつです。十分高いけど・・・ 予算が潤沢ならM10-Rがバランスいいなと思っていました。

減点ポイント:2013年のカメラで古いのがちょっと心配

調べてみるとこの年作られたカメラは「Nikon Df」「OLYMPUS OM-D E-M1」「Panasonic GM1」などなど。Dfですら使っている人は少数な気がします。2024年製のGFX100SⅠⅠと比べると随分時代が巻き戻った感が…

 

おわりに

GFXを手放した記事は想像以上の反響で、SNS経由でたくさんの方に読んで頂けました。あまりにも普段と異なるPVだったのでもはや他人事でしたが(苦笑

冒頭にでも申し上げた通り9月にGF45-100mmの劣化を感じまして、それからは撮影枚数がガタ落ち、10月はほぼ撮らない月でした。ここ十数年では極めて珍しい傾向です。その代わり写真集を見返したり自分と写真について考えたり、いい機会でもありました。楽しくはなかったですが。

再スタートを切れてちょっと安心しています。ライカを買ったからといって写真が撮れるかは分かりませんが…それでは今回もこの言葉で終わろうと思います。

LET’S WAIT AND SEE!

 

追記:カメラがない間につらつら考えたこと

ブランド

イカ、実はちょっと抵抗があります。

「そんな口きいていいのか?私は自宅で生ハム原木とよろしくやってる身だぞ」という思考があるじゃないですか。私はこの感覚が皆無で、何かモノを所有しても心の支えになったり自信がついたり気分良くなったりしません。理由は分からないのですが逆に抵抗感すらあります。
では何に快感を感じるかというと、モノを使いこなすのは非常に楽しいです。カメラなら撮影が、バイクなら走るのが楽しい。上手く撮れれば、上手く乗れればそれが心の充足に直結します。なので使わないモノがあるのはストレスなんですよねぇ。

私は時計やアクセサリーなどの装飾品に興味が無いです。これ書いてて気づいたのですが、きっと同じ理由ですね。使いこなすモノではなく着こなすモノには興味が薄いのでしょう。

合わせて、いわゆる「ロマン」もありません。自分の中で現実になったモノだけに手を出すタイプです。若い頃はロマンを追い求めたり憧れのモノを雑誌で眺めたりしていましたが、仕事のストレスで適応障害になり、子育てストレスで滅私したことにより、これらは擦り切れて粉になりました。ぺんぺん草も生えていません。

Jpeg撮って出しに価値を感じない理由

10年以上、フィルムシミュレーションが売りのフジ機を使ってきました。この機能は大変気に入っていましたが、積極的にJpeg撮って出しを運用したことはありません。皆無です。
「1枚1枚ベストな状態があるのに、カメラ任せで納得できるはずがない」と考えてモリモリRAW現像していました。

カメラの色が好きで写真を撮るのではなく、デジタル現像したいからRAWで撮ってるのだ。

これはモノクロ自家現像するようになって分かりました。フィルム×薬液や希釈率や撹拌方法の組み合わせを試行錯誤し、理想の絵を追い求めますよね?それを暗室ではなく明るい部屋でやりたいから、デジカメをつかうのです。