shigiphoto days

FUJIFILM GFXシリーズで撮った写真をつらつらとご紹介。

SEKOR SF C 145mmF4.0で白いモノクロを撮る

モノクロ写真。日本語にすれば白黒写真。でも私の中のモノクロイメージは圧倒的な「黒」でした。アンダーでコントラストが強く「ドーン!」って感じです。しかし先日書いた「きれいさび」の回で思い立ったのです。黒だけじゃない、白もあるから!ということに。気づいたからには実践したくなるもの。早速トライしてみることにしました。

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ですがどう写真にするか悩ましいです。普段そんなにモノクロ写真は撮らないですし、そもそも今までは自分の意識外にあった「白」へのアプローチ。上手くできる気がしません。なので飛び道具を使うことにしました。MAMIYA645用ソフトレンズ SEKOR SF C 145mmF4.0です。

このレンズは名前の通りソフトフォーカスレンズなのですが、ちょっと変わっていて球面収差量を調節するリングが付いています。ピント、絞り、球面収差量、3つのリングがあるんですね。この収差量を全開にするととんでもなくソフトに、全閉にすると単なる145mmレンズになります。この球面収差でホワホワになった部分を上手く飛ばして(もしくはギリギリ飛ばさず)「白」のモノクロにする作戦です。


まずはカラー版。球面収差は控え目な設定だったはず。入手したばかりで加減が掴めずまだ日和ってます。ですが水面に反射した夕日の光は綺麗に拾えていますね。ちょっと期待できそう。

 

「後から球面収差を上乗せする」思想のためか、結構元レンズの解像力は高いです。等倍で確認するとソフトレイヤーの下にしっかりした写真があって、なかなかに面白いですね。ヌメっとした水の描写は好みです。(画像比較スライダーが生きた!)

 

フィルムシミュレーションをACROSに切り替えてモノクロ撮影開始。まずはいつものイメージで。悪く無いですが、ソフトレンズの面白さに助けられてるだけ感があります。(えらい奥ピンになってしまった…合焦位置を見極めるのは超むずかしいのです)

 

さらに設定を変えて白化。これはイメージ通り(きれいさびを意識しました)に撮れたので上々です。ハイライト部分に乗ったソフト描写のトーンが破綻しないように現像しました。まだ煮詰め切っていないものの、私の感じる「美しい白」はこんな感じです。

「欲しいから買った」SEKOR SF C 145mmF4.0でしたが、思わぬところで活躍してくれました。最初はGF80mmを絞り開放で…と考えていたのですが、こちらだともっとクッキリした描写で夢うつつな美しさは出なかったのでは?と思います。

気に入った写真が撮れるレンズのお株は上がりますよね。SEKOR SF C 145mm、急上昇中です。