少し前に、モノクローム専用センサーを搭載したカメラが2台続けてリリースされましたね。PENTAX K-3 Mark III MonochromeとLEICA M11 Monochromです。普段は全然モノクロを撮らないのに、この時は流石に気になって「一眼レフやライカは趣味ではなけれどGRがモノクロになったら…」なんてことを考えていました。ですが直ぐに「GFXでフィルムシミュレーションACROSを使えばよろし」という真っ当な思考に落ち着いて、以来物欲は収まっています。
ここ最近ご紹介している四国カルストの写真、モノクロが映えるのでは?と感じたので、撮影時はカラーでしたがいくつかACROSで現像してみました。
どれも似た様な構図なのは目を瞑ることにして…「モノクロが映える」ではなく「GFXのパワーを上手く引き出せる」被写体だったな、と思います。このカメラは緻密な描写と豊かな諧調が得意分野ですから、画面全体をそれらで埋めてあげればこの通り。嬉しい仕上がりです。
以前フジフイルムでGFX100の担当をされていた上野隆さんという方が、マップカメラの動画のインタビューでこう表現されています。
ラージフォーマットの魅力は、(小さな画用紙に緻密な絵を描くのではなく)大きな画用紙に大雑把な絵ではなく、大変に緻密な絵を描くことによって、立体感や距離感を感じるリアリティの高い絵が実現できることです。※意訳
今回の例は、モノクロで色を単純化し、その効果で更にリアリティが増したって事でしょうか。カメラとレンズの性能が上手く噛み合った感があります。なんでもモノクロにすれば良い訳ではありませんが、この条件でモノクロにすれば力を発揮できる!、というコツをもっと増やしたいですね。