はじめに
3月頭に手持ちのGFレンズをばさっと入れ替えました。今回はその中でも目玉レンズ?GF55mm F1.7の短期レビューです。
この話は(多分な驚きを含みつつも)ご好評だった様で、私の記事としては反響が大きかったです。頂いた感想のなかで多かったのは「GF110mmを手放したのは意外」「GF50mmは不滅かと思っていた」「さみしい」といったもの。まぁどちらも気に入っていましたしGF50mmは古参でしたからね。私は機材を取っ替え引っ替えするイメージが薄いのかな?ただ、スパンは長いものの結構機材入れ替えてますし、ガジェット類は好き、ポチポチも好き、可能なら思うがままに機材を購入したい!とは思っていますよ。5000兆円とは言わず、5000万円ぐらい欲しいですねぇ(笑
冗談はさておき。これはレビューの度に毎度書いている気がしますが、機材を頻繁に入れ替える人が「イイヨイイヨ」と言っても説得力は薄っぺらくないでしょうか?レビュワーの経験や知識量にもよりますけどね(少し使ってしっかり作例撮ったりレビューできる本職の方はスゴイ!)。私のような一般ピーポーが何かを述べようとするならば、とにかく使い込んでしっかり実のある事を発信するしかありません。私がいつも購入後1年使ってから長期レビューを書くのはこれが理由です。
そういうスタンスではありますが、やっぱり新しい機材を買ってちょっと使ってみて、感触が良ければ「見て見て!聞いて聞いて!」したいのも人情。今回の短期レビューはそんな位置付けです。
GF55mm導入理由
機材を入れ替えた記事でも少し書いていますが、GF55mmを導入したのは「GFXシステムで最高性能を叩き出せるレンズを1本は持っておきたい」という理由です。私の場合この役割はGF80mm→GF110mmが担当しており、今回GF55mmに交代する形。GFX100ⅡとGF55mmが発表された直後に大阪のフジフィルムイメージングプラザでタッチ&トライしていたので、基本的な素性は分かっています。私の期待から大外しはしないだろうと予想しての導入でした。
少しだけ気になったのは非球面レンズが2枚使われている事。個人的な感覚の話ですが、非球面レンズを使用せずに高解像!なレンズが好みなのです。GF80mmは1枚、GF110mmはナシ、GF63mmもナシ。110mmと63mmは後から見返しても「イイ…」となります。GF55mmはこの辺りをどう感じるか、これは後半で述べようと思います。
1ヶ月使用レビュー
描写
この記事を読んで下さる方はここが一番気になる点でしょう。結論から述べると…単純な描写はGF110mmやGF80mmと同格。凄みも同じぐらい。ですが少しキャラ付けが違う様に思います。焦点距離が35mm換算45mmという画角ということもあってかなり新鮮な写真で驚きました。「こ、こんなに広い範囲がメッチャ写ってる!スゴーイ!!!」といった具合でしょうか。はいはい、GF110mmから焦点距離半分にしただけでしょ、知ってる知ってる、スゴイねー…ではありません!
キャラ付けの話ですが、GF110mmと比べるとかなり端正な描写です。GF80mmだと「夢っぽさ」を取り除いた感じでしょうか(うまく文章化できない)。The 現代の高性能レンズですね。特筆するべき点は解像力とコントラスト。センサーの1画素1画素にしっかり情報を届けている感があります。非球面レンズ2枚が効いている気がします。ただ、単純に解像力が高くてキレているだけでは無い様に思いました。丹精な描写なのです。ここに何か隠し味があるのかなぁ?
人はどうしても分かりやすさに目が行きがちで、このレンズも「F1.7」という開放F値由来のボケの大きさが気になると思います。しかし良さの本質はボケ量ではなくボケの質。シャープな象面からなだらかに、隙のないボケに向かって描写が変化していく。ここがこのレンズの、ひいてはGFXシステムの良さ凄さの源泉ではないでしょうか。そしてこの特性が45mmという画角にマッチすることでGF55mmの描写を成立させているように思いました。シャープなだけでない丹精な解像力、ボケの質、画角の三位一体。マリアージュ。GF110mmやGF80mmと同じレベル、同じカテゴリだとは思うのですが、画角毎にスパイスを変える事でレンズの印象も変化させてきてるのかな?FUJIFILMさん凄いなぁ。
質感
これまで使ってきたGFレンズの中ではトップクラスに良いです。私がいつも目の敵にしている絞りリングの感触も悪くない…いや、良いです!その分同時に購入したGF45-100mmの絞りリングが気になっちゃうんですけどね。有料でいいから絞りリングの感触改善サービスやってほしい。。。
話が逸れました。絞りリング以外の部分は他のGFレンズと同じビルドクオリティですね。フォーカスリングのゴムは掴みやすく回転には適度なトルクが感じられて気持ちいい(あんまりMFしないですけどね)。レンズ内を正面から覗き込むと大きなガラスがこちらを見つめ返してきます。これはチャームポイント。重量バランスも自然でボディに装着した時に使いやすいです。描写の様に特筆する点は無いものの、しっかりバランスを考えられて設計されたんだなぁと感じました。このバランスっていうのが最終的には大事なんですよねぇ。
AF
一番心配していた点です。GF55mmはフォーカス用の重いレンズをDCモーターでガッと動かす仕様だったはず。なのでAF速度は速くはないです。いや、遅い。他マウントのレンズはもとより、同じGFレンズでもリニアモーター搭載機と比較してもヨッコイショ感は否めません。しかし撮影に不都合があるほどではありませんし、GF110mm>GF55mm>GF80mmといった具合ですかね。AF-Sならしっかり仕事してくれます。精度もヨシ!
AF-Cは実用に耐えられるか検証中。ダメな設定だとGF80mmと同じくタコ踊りAFで一生合焦しませんが、AFエリアの設定次第では可能性あるかも?ちょっと進歩してました。微速前進よーそろー!
その他
このレンズは重量780g、最短撮影距離0.5m、最大撮影倍率0.17倍です。換算45mmという画角も相まって、GFレンズの中ではかなり使いやすい部類ではないかと。35mmフォーマットから乗り換えた方の感覚なら「デカい割に凡庸」なスペックに感じるでしょうね。
おわりに
GF55mmF1.7、予想以上のレンズでした。決してGF110mmやGF80mmの焦点距離を変えただけの、金太郎飴的レンズではありません。購入前はちょっと見くびっていたかも。反省しないと…。
このレンズは「しっかり撮る時」様のつもりで導入したのですが、上に書いた通りボディ装着時のバランスが良く使い勝手もいいので、娘ちゃんと出かける時にも結構持ち出してします。これは嬉しい誤算でした。ブログには載せられませんがクルクル回る娘ちゃんの目にしっかり合焦できた事もあって、AF-Cにも可能性を感じています。習熟度を上げる楽しさもありそうですね。GF55mmが気になっている方の背中を押せれば幸いです。おわり。