shigiphoto days

FUJIFILM GFXシリーズで撮った写真をつらつらとご紹介。

GF110mmF2.0のファーストレビュー(GF80mmF1.7と入れ替え)

長期レビューご案内

見事1年間使用したので長期レビューも書きました!こちらも是非ご参照下さいませ。

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はじめに

事の発端は、昨年末に購入したGF100-200mmの使用率が低く、不満に思っていたことでした。どうも焦点距離が合わず持ち出す機会が増えません。持ち出しても広角端はよく使うのですが望遠端は気まぐれに使う程度。折角のズームレンズなのに。。。重量やサイズはネックでは無いのですけれど。

私はレンズが防湿庫の肥やしになるのは嫌なタイプです。大枚叩いてつぎ込んで買ったレンズなら尚更。しかし残念なことにGF100-200mmは思いっきりこの状態でした。風景撮影にもっと出かけられていれば状況は違ったと思うのですが、仕事家事育児に追われる哀れな30代にはその自由も余裕もなかったのです。

 

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/250 110 mm ISO 1000

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/60 110 mm ISO 1600

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/250 110 mm ISO 320

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/250 110 mm ISO 320

GF80mmF1.7→GF110mmF2.0へ入れ替え

となると売却の決心は早いです。早速みんなの防湿庫ことマップカメラのHPを覗くと下取り価格UPキャンペーン中。うまく使えば購入価格とトントンで下取ってもらえそうです。これを使わない手はありません。代わりに購入する機材はちょっと悩みました。GRⅢxやSIGMA fp、LeicaCL等々…でも何を買っても撮れる絵に満足できなさそう(贅沢な話です)なので焦点距離の近いGF110mmを選びました。神レンズと名高いこのレンズなら画質面では何ら不満は出ないはずですし、焦点距離的にも楽しく使えそうです。

しかしGF110mmはお高いのでGF100-200mm単体では等価交換になりません。持ち出しは避けたいのでもう1本下取り品が必要です。筆頭はGF50mm、でも点距離40mmはなんとなく手放し難く、使い方の近いGF80mmがアッサリ選ばれたのでした。

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/150 110 mm ISO 1600

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/250 110 mm ISO 250

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/250 110 mm ISO 800

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/250 110 mm ISO 500

一応、他にもいくつかちゃんとした理由はありますよ。

  • 非球面レンズが使われていないレンズが欲しい
  • レンズ重量1kgまでなら耐えられるので重いレンズが欲しくなった(相対的にGF50mmが輝くし)
  • 換算65mmは使いやす過ぎてGF32-64mm、GF50mとバランス悪い。もっとこの2本を使いたい
  • GF80mmのAF挙動が慣れなかった(長期レビューのAF項をご参照ください)
  • F1.7という明るさの「箔」に関心が無くなった(正直F2.0を切る中判レンズに憧れはありました)

といった感じです。GF80mmに明確な不満があったわけでは無く、手持ちレンズのバランス的に使い勝手の良いGF80mmがドナドナ候補にすっぽり当てはまってしまったということ。もちろん後釜のGF110mmが信頼できる確証が高かったからこその判断ですが。他にも、非球面レンズ無し(高解像でもトロリとした滑らかさを感じるので好き)、重量1kg、期待させてくれるMTF、 GF80mmと同等の最大撮影倍率(0.16倍)、GF80mmと同じフィルター径(純正フィルターが引き継げる)…等々細かな理由も後押ししてくれました。

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/250 110 mm ISO 640

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/250 110 mm ISO 1000

(GF80mmの話ですが写真は全てGF110mmで撮影。金曜の仕事終わりに三宮→元町で撮影)

GF110mmF2.0のファースト使用レビュー

ようやく本題のGF110mmです。木曜の夜に届き、金曜の帰宅時と土日でいそいそと使ってきました。丸一日しっかり使いこめた日は無いですが…まぁファーストレビューなので問題ないでしょう。1年ぐらい使えばGF80mmと同じくしっかりとしたレビューが出来るかな。

最初に結論から書いてしまします。GF110mm買って良かった。上で挙げたGF80mmとの入れ替え理由をちゃんと満たしてくれています。性能面/運用面共に想定通り。いや性能は想像以上だったかもしれません。GF80mmも素晴らしいレンズでしたがこちらの方が総合力では優っている気がします。換算85mmが好みならとてもおすすめできるレンズです。では以下詳細をどうぞ。

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/5.6 1/7500 110 mm ISO 200

描写

ファインダー覗いた瞬間思いました。

「ああ、知ってる、これ凄いやつ。いや、知らなかったかも。」

解像のシャープさはGF80mmと同等、ボケの滑らかさは私史上最高、非球面レンズ非使用のトロリ感はGF63mmを彷彿とさせます。過去使ってきた各種レンズの良いところを総まとめにして相乗効果まで持たせた感じ。調和しています。正直、最近はGFレンズの描写は見慣れてしまい(贅沢な話です)、安心や信頼はあるもののどのGFレンズを使っても「まぁこんなモンよね」と思ってしまっていました。GF110mmも解像、ボケ、質感、どれも単体では「The GF Lens」で驚きはありません。もちろん単焦点レンズなので各要素は最高峰ですけどね。しかし各要素の調和具合が素晴らしい。これは今まで使ったGFレンズの中でもちょっと飛び抜けていると感じました。撮る喜びが凄い。

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/1900 110 mm ISO 100

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/680 110 mm ISO 100

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/450 110 mm ISO 100

重量

描写の良さにホクホクしつつ、気になる重量1010g。牛乳パック1本分の重さのレンズです。ボディやアクセサリを合わせると牛乳パック2本分…ですが、GF32-64mmやGF100-200mmを使って1kgレンズ運用は平気だと分かっていたので、特に問題はありませんでした。想定通りです。ただ、理由は分かりませんが同じ重さのGF32-64mmより体感では重く感じました。ちょっと長いのが影響してるのかな?

牛乳パック2本分の重量がさも平気な風に書いていますが、これはSPIDER社のカメラホルスターを使っているから言えることです。普通のストラップで首からぶら下げると首肩破壊されると思いますし、ハンドスラップだけだと1時間ぐらいで腕が上がらなくなるでしょう。SPIDERホルスターは私のGFX生活を支える重要なガジェットです。良い製品に感謝。

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/950 110 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/4 1/250 110 mm ISO 320

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/500 110 mm ISO 200

質感

最初に持った瞬間、LMユニットがガコガコ動く感触が手に伝わってきました。

「ああ、知ってる、これダメなやつ。出たよ。」

XF80mmやXF90mmでお馴染み、電源オフ時にLMユニットが動く問題です。GF100-200mmは大丈夫だったので油断していました。以前メーカーさんに確認したところ胸を張って「大丈夫」と言っていましたが、感覚的には全くだいじょばないヤツ。摩耗したり削れたり壊れたりしない?心配です。ただし、上に挙げたXFレンズよりも中で動いているカタマリは小さく軽く感じました。多少は改善されているのかも。

更に絞りリングを回すとお馴染みのスカスカした感触。そして何故か2,4,5.6,8,11…と基本のF値にとても合わせにくい。1/3ステップの中途半端なところは軽いのですが。これは今まで使ったGFレンズには無かった傾向です。不安です。

気を取り直してピントリングを回すとぬめーっとした良い感触。またレンズを覗き込むと大口径のガラスが怪しく輝いていました。嬉しくなります。外装はレンズが大きいので手で掴むと金属部分に当たる面積が大きく、良い質感が存分に楽しめるのはGoodですね。総じて、絞りリングに触れなければ非常に質感は良いと言えるでしょう。良くも悪くも僕らのフジノンレンズってところ。

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/250 110 mm ISO 320

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/480 110 mm ISO 200

(土曜の昼間、田舎の親戚の家まで用事で移動した道中撮影)

AF

GF80mm比では速いです。GF50mmやGF32-64mm、GF100-200mmといった他のLMレンズ比では遅いですね。フォーカスレンズが重いのでしょう。LMの音も大きめですが屋外なら気になりません。逆にLMの動きの精密さには関心しました。シュッ!ピタッ!という、「ちゃんと」動いている真面目な感触がAFの度に手に伝わってきます。GFX100Sのシャッターも「大きなフォーカルプレーンシャッターを精密に、静謐に制御しています」感があり、GF110mmのLMも同じ傾向です。思いがけず嬉しい要素でした。

AF-Cで子供を追いかけるチャレンジは撮影者の工夫でなんとかなりそうな予感です。まだ使いこなせていないので良い写真は撮れませんでしたが。

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/3800 110 mm ISO 100

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/2400 110 mm ISO 100

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/1250 110 mm ISO 100

(日曜、子供と海散歩)

総評

そう言えば、上では述べませんでしたが絞り開放のボケはちょっとドリーミーに過ぎる場合がありました。あれ?と思って1~2段絞ることもしばしば。もちろん解放がピシッとはまる場合も多かったです。この辺の使いこなしはまだまだですね。

ということでGF80mmを手放した理由とGF110mmのファーストレビューでした。今回の交換で現在の手持ちGFレンズは32-64mmと50mm、110mmの3本になりました。今の私にはこれぐらいの本数がバランス良いと感じます。他にもPENTAX645用のマクロレンズやMAMIYA645用のソフトレンズもありますしね。

GF110mmを購入検討されている方、ちょっと気になっている方、背中を押して欲しい方の参考になれば幸いです。それでは。

FUJIFILM GFX100S, GF110mm F2.0R WR LM, ƒ/2 1/125 110 mm ISO 1600