shigiphoto days

FUJIFILM GFXシリーズで撮った写真をつらつらとご紹介。

LEICA M10-Pレンタル中 祈り優先を知る

先週に引き続き、GFXはメンテナンス中のため手元のカメラは二流。のすふぃも氏からLeicaをレンタルしています。しかし驚く事なかれ、先週のLEICA Q-Pはもう手元にありません。M10-Pに変わりました。同時にお借りしたレンズは35mmと50mmのSummicron。なんというよりどりみどり!

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ファーストショットは自宅のカメラたち。定番ですね。

LEICA M10-P, Summicron 50mm F2.0 2nd, ƒ/2.4 1/90 ISO 800

 

AFの効くQ-PからMFのM10-Pに変わったので少しだけ感想を。この2つのカメラの印象は全く別でした。

M10-Pのピントは無論MFなので、露出もオートを使わずマニュアルで合わせることにしました。何だかそれがお作法な様に感じたので。もちろん露出計は付いてるので何となくの露出は分かるんですけどね。テキトーに撮ると思いっきりアンダーで、でもそれが良く感じたりします。普段はGFXの評価測光で絞り優先ISOオート、露出補正は±1EVぐらいしか動かさないので、このダイナミックに露出を外す体験は新鮮で面白く感じました。ピントせよ露出にしろ、手練れてくれば使いこなす楽しみが、初心者のうちは試行錯誤する楽しみがあります。

仕様からして制約が多いはずなのですが「操作の選択肢が限定される」が悪い意味での要請ギプスになっておらず軽快。そして質感が良いので全ての操作が快感に繋がります。この感触は良いキーボードでタイピングしてるのに近いと感じました。今まで「ライカは良いよ」と言われてもお高いカメラということもあって「そりゃそうでしょ」と思ってましたが、実際に自由に使ってみてその良さを知ることになりました。

LEICA M10-P, Summicron 50mm F2.0 2nd, ƒ/5.6 1/500 ISO 100

LEICA M10-P, Summicron 50mm F2.0 2nd, ƒ/2.0 1/60 ISO 200

LEICA M10-P, Summicron 50mm F2.0 2nd, ƒ/2.0 1/125 ISO 200

LEICA M10-P, Summicron 50mm F2.0 2nd, ƒ/2.0 1/90 ISO 200

 

さて、私の中でレンジファインダーは「(絞りならぬ)祈り優先MF」という印象です。これは飯田ともきさんの『カメラバカにつける薬』で個人的にめちゃくちゃ面白いと思ったエピソードで紹介されています。

dc.watch.impress.co.jp

実際に使うとピント合わせはシビア、というか「ピント合ってるか分かんないけど取り敢えずシャッター切る」がとても多かったです。不慣れなことも相まって、二重像のズレを見てもどちらにヘリコイドを回せば合焦するのかサッパリ。他にも

  • コサイン収差大丈夫?
  • シマシマの対象は二重像分からなくない?
  • 小刻みに動く子供にピント合わせるの難し過ぎでしょ

等の苦労はありました。ちょっとの使用では習得は全く出来ませんでした…

LEICA M10-P, Summicron 50mm F2.0 2nd, ƒ/2.0 1/750 ISO 400

LEICA M10-P, Summicron 50mm F2.0 2nd, ƒ/2.0 1/250 ISO 400

 

レンズについても感想を少しだけ。お借りしたのは35mmと50mmのSummicronですが、使ったのは50mmだけでした。RF機は広角の方が使いやすいかなぁと思っていたのですが、自然と使えたのは50mm、普段から標準〜中望遠が好きなので好みが出た感じです。よくレンズの描写で「立体感」という表現がありますが、この50mmのSummicronはとても立体感を感じる描写でした。これは周辺減光とボケ由来なんでしょうかねぇ。

LEICA M10-P, Summicron 50mm F2.0 2nd, ƒ/2.4 1/125 ISO 800

LEICA M10-P, Summicron 50mm F2.0 2nd, ƒ/2.4 1/125 ISO 200

LEICA M10-P, Summicron 50mm F2.0 2nd, ƒ/4 1/30 ISO 400

周辺減光は開放時が顕著ですが、絞ると周辺までピシッと解像しますね。収差も感じずビックリしました。雰囲気とリアリティが共存する凄いレンズだと思います。何十年も前に作られたレンズですしね。この頃にレンズはもう既に完成していたのか…

LEICA M10-P, Summicron 50mm F2.0 2nd, ƒ/5.6 1/350 ISO 100

LEICA M10-P, Summicron 50mm F2.0 2nd, ƒ/5.6 1/500 ISO 100

ということでM10-PとSummicron 50mmの特別回でした。個人的には先週のQ-Pと比べると圧倒的に使っていて楽しかったです。一方、カメラとしての方向性や思想はGFXが自身には合っていると感じました。楽しく新鮮で貴重な経験になりましたし、自分の写真やカメラを振り返る機会にもなりました。すふぃも氏には感謝感謝です。