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FUJIFILM GFXシリーズで撮った写真をつらつらとご紹介。

GFX100Sで撮るノスタルジックネガ - 春夏秋冬

はじめに

FUJIFILM GFX100S, GF50mmF3.5 R LM WR, ƒ/8 1/750 50 mm ISO 200

GFX100Sで初めて搭載され、ここ最近はX-H2S、X-H2、X-T5といったXシリーズ第五世代のモデルでも使える様になったフィルムシミュレーション、ノスタルジックネガ。最近は私も気に入って使っています。フジフィルム公式サイトの謳い文句はこんな感じ。

1970年代、カラー表現の可能性を世界に提起し、芸術として定着させた「アメリカンニューカラー」の代表作を想起させる色再現を特徴とします。独特の諧調表現がハイライト部を柔らかくアンバーに描写する一方で、シャドウ部はディテールを残したままノリの良い色味を実現し、叙情的に切り取ることが出来ます。

ただ、GFX100Sを購入した当初はイマイチ使い勝手やスイートポイントが分からず持て余していました。自分の好みに合わせるためにコントラストや色温度をガッと触ったり。仕上がった写真は気に入っているものの、どこか胸の中で「コレジャナイ」感があったのは事実です。

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この後半年ぐらいの間、フィルムシミュレーションはVelviaを気に入っていたこともあり、ノスタルジックネガには手をつけずに現像していました。しかし冬のある日、とうとう素のノスタルジックネガで気に入る写真が撮れたのです。これは大きな一歩でした。

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この成功体験は大きな起点になり、2022年に入ってからは積極的にノスタルジックネガを使う様になりました。今年も後1ヶ月となり1年を通してノスタルジックネガで撮ってきたので、今回はその写真を季節ごとに振り返ろうと思います。

初めてこのフィルムシミュレーションで好みの写真が撮れたのは、スカッと晴れた冬の日。綺麗な「空色」が出て嬉しかった記憶があります。

FUJIFILM GFX100S, GF50mmF3.5 R LM WR, ƒ/8 1/320 50 mm ISO 125

この頃はまだ試行錯誤中だったので「バイクが合うのか?」と思っていろいろ撮っていました。

FUJIFILM GFX100S, GF80mmF1.7 R WR, ƒ/1.7 1/2700 80 mm ISO 100

FUJIFILM GFX100S, GF100-200mmF5.6 R LM WR, ƒ/5.6 1/250 196.5 mm ISO 800

FUJIFILM GFX100S, GF100-200mmF5.6 R LM WR, ƒ/5.6 1/250 200 mm ISO 2500

晩冬。澄んだ空気に少し春の気配が混じる季節。空気が少しアンバーになる気がするんですよね。真冬は青空で成功したノスタルジックネガですが、この少し春めいた光は合うだろう!ということでご近所スナップで使ってみました。これも思惑通りだったので本格的にいろいろ試行錯誤するようになります。

FUJIFILM GFX100S, GF80mmF1.7 R WR, ƒ/1.7 1/1800 80 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, GF80mmF1.7 R WR, ƒ/2.8 1/2500 80 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, GF80mmF1.7 R WR, ƒ/4 1/1250 80 mm ISO 200

ガラス越しに撮ったカフェの店内。GF80mmで撮った写真で1番気に入っている写真かも。

FUJIFILM GFX100S, GF80mmF1.7 R WR, ƒ/2.8 1/300 80 mm ISO 200

お気に入りのレストインデカンショにて。エビフライは茶色だからノスタルジックネガいけるのでは?という安直な考えの1枚。でも悪くないです。

FUJIFILM GFX100S, GF50mmF3.5 R LM WR, ƒ/5.6 1/680 50 mm ISO 200

アンバー=茶色=夕焼け がピタっと嵌った1枚。逆光だとコントラストがきついので、軟調なノスタルジックネガでもシャドウが浮きすぎず、むしろ丁度いい塩梅です。

FUJIFILM GFX100S, GF80mmF1.7 R WR, ƒ/5.6 1/1600 80 mm ISO 200

季節は冬から春に移り変わり、冬の間の試行錯誤が季節変わっても通用するのか?を確かめようと、引き続きノスタルジックネガを試していました。内心冬の間で結構自信がついていたので「まぁいけるやろー」と思っていたのですが…なかなか上手くいきません。悪くないけれど冬の頃ほど特徴が出ない感じです。

まずは以前のご近所スナップと同じルートを回ってみました。が、どうにもスッキリし過ぎて冬の頃にあった柔らかな空気感が再現出来ません。春は黄砂や霞で空気の透明度が下がるのでもっと合っているかと予想していたのですが。湿度が低く空気の透明度が高くないとダメなのかなぁ?と考えていた記憶があります。

FUJIFILM GFX100S, GF110mmF2 R LM WR, ƒ/2 1/640 110 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, GF110mmF2 R LM WR, ƒ/2 1/3500 110 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, GF110mmF2 R LM WR, ƒ/2.8 1/1000 110 mm ISO 100

FUJIFILM GFX100S, GF110mmF2 R LM WR, ƒ/2.8 1/2000 110 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, GF110mmF2 R LM WR, ƒ/2 1/1700 110 mm ISO 200

黄砂や霞が少なく爽やかな日に撮った空。ご近所スナップは思い通りでなかったですが、こちらは冬と同じ傾向で安心。

FUJIFILM GFX100S, GF32-64mmF4 R LM WR, ƒ/8 1/800 32 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, GF32-64mmF4 R LM WR, ƒ/4 1/750 64 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, GF32-64mmF4 R LM WR, ƒ/4 1/320 64 mm ISO 200

アメリカンニューカラーとは縁遠そうな屋内で試した1枚。窓からの光が柔らかく拡散している写真になって気に入ってます。

FUJIFILM GFX100S, GF50mmF3.5 R LM WR, ƒ/5.6 1/320 50 mm ISO 400

春の撮影が迷走したのでちょっと自信を無くしてシーズンインしました。気温と湿度も高いのであまり良い結果は望めないだろうという予想。

ノスタルジックネガの良さはシアンとアンバーの美しさにあると考えています。2色の比率は問題ではなくて、質が重要なのだと。この法則が正しい場合、条件の良くない夏はシアンもアンバーも質が悪く、結果濁った写真になるのでは?と予想していました。しかし予測に反して夏の撮れ高は良かったのです。こちらの記事でも書きましたが「湿度の低い日はノスタルジックネガ」のルールに立ち帰り、夏としては低湿度の日に使う様にしたことが勝因かな。

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こちらの3枚を撮影したのは9月の頭。残暑…というかまだまだ普通に暑い時期です。でもこの爽やかな光!夏の鬱陶しさとは全く無縁の雰囲気です。

 

FUJIFILM GFX100S, GF32-64mmF4 R LM WR, ƒ/8 1/125 32 mm ISO 100

FUJIFILM GFX100S, GF32-64mmF4 R LM WR, ƒ/8 1/250 32 mm ISO 320

FUJIFILM GFX100S, GF32-64mmF4 R LM WR, ƒ/8 1/250 32 mm ISO 320

この頃には結構ノスタルジックネガに合う(自分好みの)光が感覚的に分かってきて、色々レンズを変えて楽しんでいました。論理的には分析できないままですが…下の3枚はPENTAX67用の広角レンズSMC Takumar 6×7 55mm F3.5で撮りました。GFレンズほどの抜けと解像力はありませんが色に深みがあって好みの描写。特に2枚目のちっさい飛行機の写真は気に入ってます。

FUJIFILM GFX100S, SMC Takumar 6×7 55mm F3.5, ƒ/8.0 1/240 55 mm ISO 100

FUJIFILM GFX100S, SMC Takumar 6×7 55mm F3.5, ƒ/8.0 1/320 55 mm ISO 800

FUJIFILM GFX100S, SMC Takumar 6×7 55mm F3.5, ƒ/1 1/320 55 mm ISO 250

FUJIFILM GFX100S, SMC Takumar 6×7 55mm F3.5, ƒ/1 1/55 55 mm ISO 100

お次はMAMIYA645用のソフトレンズSEKOR SF C 145mmF4です。一見全て夢見心地になるものの、実は芯のある描写で気に入ってます。

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR SF C 145mmF4, ƒ/5.6 1/1000 145 mm ISO 320

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR SF C 145mmF4, ƒ/5.6 1/640 145 mm ISO 100

FUJIFILM GFX100S, MAMIYA-SEKOR SF C 145mmF4, ƒ/5.6 1/320 145 mm ISO 640

夏の間にかなり手応えを感じ、これなら秋も楽しく使えそう!と思いながらシーズンイン。ほぼ1年使ってきたのでもう苦労はしないはず。ですがそう思い通りに物事は進みません。いつも通り湿度の低い日に空を撮ると…なんか水色が薄いです。くすんでます。なんでなん?

FUJIFILM GFX100S, GF50mmF3.5 R LM WR, ƒ/8 1/600 50 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, GF50mmF3.5 R LM WR, ƒ/5.6 1/280 50 mm ISO 200

夕方撮ってみるとめちゃめちゃアンバーが強いです。秋はシアン成分が極端に低い、もしくはアンバーが強過ぎて表面には出てこないのかも。ちょっと冬→春→夏とは勝手が違いますね。アプローチを変える必要がありそうです。

FUJIFILM GFX100S, GF50mmF3.5 R LM WR, ƒ/3.5 1/750 50 mm ISO 200

FUJIFILM GFX100S, GF50mmF3.5 R LM WR, ƒ/5.6 1/250 50 mm ISO 500

アプローチを変える、といっても難しいことはしません。シアンが弱いならアンバーを撮ればいいじゃない、ということです。ただし下手に撮ると思いっきり茶色写真になってしまうので、狙いは「金色」です。輝く茶色、とも言えますかね。

FUJIFILM GFX100S, GF50mmF3.5 R LM WR, ƒ/8 1/210 50 mm ISO 400

FUJIFILM GFX100S, GF50mmF3.5 R LM WR, ƒ/11 1/320 50 mm ISO 400

FUJIFILM GFX100S, GF50mmF3.5 R LM WR, ƒ/8 1/800 50 mm ISO 800

FUJIFILM GFX100S, GF50mmF3.5 R LM WR, ƒ/5.6 1/1100 50 mm ISO 800

そうそう、たけさんが作成されたプリセットをノスタルジックネガに合わせてみたりもしています。これも「輝く茶色」作戦の一環ですね。

take9-htn.hateblo.jp

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写真はこの2枚でラスト。このフィルムシミュレーションは屋外で使うことが圧倒的に多かったのですが、屋内で試したものです。といってもどちらも「輝く茶色」作戦には変わりありませんが。

窓から差し込む光がメインなので屋外と条件は一緒かも。でも照らされた梁が綺麗でしょう?

FUJIFILM GFX100S, GF32-64mmF4 R LM WR, ƒ/5.6 1/35 32 mm ISO 800

こちらは室内灯で撮影。ここまでの写真とはちょっと毛色が違います。お店の中の光源は電球色が多いので、もしかしてノスタルジックネガと合うのでは?というお試し。ガラス瓶はアンバー、什器はシアンを感じます。確かホワイト優先オートWBだったはずなので、オートがいい仕事してるのかな?

FUJIFILM GFX100S, GF110mmF2 R LM WR, ƒ/2 1/210 110 mm ISO 1600

おわりに

1年間使ったノスタルジックネガの写真を季節ごとに振り返り、その時のアプローチとセットでご紹介してみました。論理的に分析&再現性ありな法則を見つけられたわけではありませんが、「アンバーとシアンの質」「低湿度」「秋は輝く茶色」あたりのキーワードはお役に立つかもしれません。せっかくフィルムシミュレーションは沢山あるので、写真1枚1枚に合った物がチョイス出来る様になりたいですね。「私、どのフィルムシミュレーションも得意ですよ!」と言えることを目指して頑張りましょう。